民事信託の活用~民事信託(家族信託)の適用範囲 その3~

| コラム

前回に続き、民事信託と後見制度のそれぞれの制度の特徴を確認してみましょう。
下記の表は、民事信託と類似の成年後見・任意後見制度の比較です。
今回は下記表の4について、ご説明致します。

4.財産管理の権限
信託においては、委託者の財産について、財産ごとに受託者に対して形式上所有権を譲渡することにより、受託者が所有者となって対象財産の管理処分権限を有することになります。この管理処分権限の範囲は、信託契約に定めることによって、一定の制限をすることができます。他方、委託者は委託者に委託した管理処分権の範囲でその権限を失うことになります。

これに対して、成年後見においては、本人の財産に関し後見人が管理処分の包括的代理権を持つことになり、本人の行為について取消権を有することになります。

任意後見においては、任意後見契約の中で任意後見人の代理権を個別に定めていきます。例えば、施設の入所契約の締結、重要財産の処分行為などについて代理権を付与する旨を定めます。必要に応じて代理権を付与する形式です。ただし、取消権はありません。

このように、それぞれの制度により受託者・後見人の権限が異なりますので、制度を利用する目的や実情に合わせて制度を選択する必要があります。

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