民事信託の活用~民事信託(家族信託)の適用範囲 その2~
| コラム
前回に続き、民事信託と後見制度のそれぞれの制度の特徴を確認してみましょう。
下記の表は、民事信託と類似の成年後見・任意後見制度の比較です。
今回は下記表の3について、ご説明致します。

3.財産管理の対象財産
信託では、信託行為の規定の仕方により財産管理の対象財産が決まります。そのため、信託行為においては、特定の財産をあえて信託の対象としないこともでき、どの財産を信託の対象にするか入念な検討が必要となります。
信託の対象となる財産の例
(1)不動産
委託者名義の不動産について受託者に所有権移転登記行うことにより、信託内容も登記事項と
なりますので、第三者に信託を公示対抗できます。
(2)現金
信託に属する金銭と受託者固有の金銭とが外形上区別ができる状態で保管する必要があります。
(3)預貯金
信託に属することが外形上わかる「信託口」名義の口座を開設する必要があります。
→信託の対象にならない財産については、別途遺言書を作成するなどの検討も必要です。
任意後見については、任意後見契約の中で、委託者名義の財産のうち対象財産を決めることができます。
また、全財産の管理を委任することもできます。
これに対して、成年後見においては、後見人が被後見人の全財産を管理することになるため、管理対象財産につき信託のような検討は要しません。