トランプ関税と日本経済

| コラム

トランプ前大統領(2017~2021年在任時)は「アメリカ第一主義」を掲げ、米国の製造業や雇用を守るために、貿易赤字削減を重視しました。その手段の中心となったのが 高関税の導入 です。「トランプ関税」は、アメリカの製造業保護を目的に導入された追加関税政策であり、米中貿易戦争の象徴的な政策です。短期的には国内産業の一部を守りましたが、長期的には国際貿易秩序を揺るがし、コスト増や報復関税による副作用も大きく、賛否が分かれています。バイデン政権(2021~)も一部関税を維持し、特に中国製品への関税は国内政治上「対中強硬姿勢」の一環として続行されました。

「トランプ関税」の日本への影響(2025年)

A. 経済・企業への影響

・2025年4〜6月期GDP:実質GDPは前期比+0.3 %(年率+1.0 %)で、5期連続のプラス成長を維持。輸出は増加に転じ、設備投資や個人消費も堅調。ただし、これらには駆け込み的な側面もあり、7〜9月期以降の反動に注意が必要とされています。

・新たな「相互関税」開始を受け、約8割の企業が「景気を後退させる」と回答。自社へのネガティブ影響を認めた企業は6月の57.6 %から8月には31.9 %へ大幅に減少しており、日本企業が影響への耐性を強める一方で、全体としては警戒感が根強いことがわかります。

B. 企業対応と戦略

  • 価格転嫁の取り組み:関税上昇分を価格に転嫁し、利益率を維持しようとする動きが報告されています。しかし、米国側の消費者感度や自主的な価格吸収との兼ね合いが課題とされています。
  • GDP・倒産シナリオ:帝国データバンクによる予測では、関税が予定通り引き上げられた場合、GDP伸び率が約0.5ポイント下がり、倒産件数が約3〜4 %増加すると見られています。解除継続など条件次第で影響の大きさに変動があります 。

  今後の注目点としては、7〜9月期以降の影響本格化、交渉の結果や為替・消費への波及、対中・対EUの動向等があり、日本経済にどのぐらい影響してくるか注意が必要です。

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