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第98話 日本はどこまでおいて行かれるのか

2022年06月30日 バンコク便り

日本に居住している一般の方々よりも海外に住む我々の方が、いろいろな面で国際社会の中で日本人のプレゼンスが凋落している現象を日常的に感じていると思う。

例えばタイ以外の国へ観光に出かけると、確実に日本語表記が減っているし、客引き的な人たちは必ずと言って良いほど「ニイハオ」と声をかけてくる。

タイで家電用品店または大型ショッピングモールのテレビ売り場の店頭ではサムスンとLGが占領し、その奥には中国メーカー製品、日本メーカーのテレビは何処かと問えば、店舗の一番奥の方に、我々が慣れ親しんでいるメーカーの製品が申し訳程度に販売されている。もちろん私自身も出来れば我が祖国の製品をと考えるが、Bluetooth等もうすでに当たり前と考えられている機能が、日本メーカーの製品には欠けていたりする。以前製造業の方に聞いたのは「例えばワイヤーハーネス(内部の電気コード)等々、汎用部品の仕様が、韓国メーカーの場合はとにかくコスト優先で、その結果製品自体の耐用年数が短い」ということだったが、今時5年も経過すれば製品の機能も画面のサイズも全く別世界になってしまうのだから、それ以上の期間使用する可能性も低くなっている。つまり必要以上に長持ちしてもあまりメリットは無いということになる。

タイの若者の留学先も、当然のことながら将来のキャリアに大きなメリットのある国を選ぶのだから、それは当然英語圏であり、例えば英米はコストが高すぎるので、最近はニュージーランドを選択する例が多いと聞く。かつてはタイ留学生会で幅を利かしていた日本留学組も、今は昔である。

実は私も、つい最近大荷物を抱えて日本へ一時帰国し、この月報も日本で執筆中なのだが、当初エアアジアの追加運賃を支払って預け荷物の重量追加を利用しようと予約にトライしたのだが、タイ↔日本間の直行便が運休しているので諦めた、のだがもうすぐタイ↔韓国間の直行便が就航するそうである。

すでに欧米先進国の所得の半額から7~8割程度の平均所得、隣国韓国にも平均賃金はもちろん最低賃金も追い抜かれている。

当然その責任を問われるとすれば、衰退するばかりの社会を放置してきた我々大人全員である。政治が悪いと言うのであれば、その政治家を選択してきたのは一般の有権者なのだから。