2021年04月30日 
新型コロナウィルスが再度感染拡大しているため、政府はまた飲食業等々の厳しい規制を行う旨検討中だという。目前に迫ったソンクラン（タイ正月）についても例年街頭で行われる水かけ乱痴気騒ぎを禁止した。目上の方々の体にそろっと水をかけ合掌し相手の幸福を祈る、また同時にその年の豊作を願うという、今年政府が推奨している楽しみ方はまさにかつて我々が目にしていたソンクランの風景なのだ。ただチェンマイやその他地方都市で行われる各地の寺のご本尊や村ごとの美少女代表によるパレードが無いのはその地方の人々にとってあるいは観光収入を期待する人たちにしてみれば昨年同様、残念なことであるには違いないし、祭りと云えば地元の若い男女にとっては新しい出会いを期待させるものなのかも知れない。
しかし15年ほど前から変容し酔っ払いのバカ騒ぎと化したソンクランは、我々にとって目を覆いたくなる様なイベントでしか無い。何しろこの連休に外出をすればいやも応もなしに酔った若者たちによってざばざばと水を掛けられまた踊り狂う者もいて、彼らの憂さ晴らしに付き合う意思の無い我々は不快以外の何物でもない。あろうことか警察までがその騒ぎを盛り上げようと大通りをブロックし水かけ者天国を演出するのだから堪らない。
どうか来年以降、コロナ禍が終息した後でも地方都市の観光収入に影響の無い範囲でこの「オリジナルなソンクラン」を受け継いで行って欲しいものだと思う。
この政策が、毎年お決まりの数百人に上る酒酔い運転の犠牲者（死者）が少しでも減少するならそれも世の為人の為である。
