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第82話 宝くじ

2021年04月30日 バンコク便り

この国にも公的な宝くじがあり、タイ語でロッタリーと呼んでいる。バンコクでは主に道端の露店で、また地方へ行けばビーチでくつろいでいても、レストランで食事をしていても宝くじ売りが巡回しており、しょっちゅう声を掛けられる。興味の無い者にとっては少し鬱陶しく感じる。

1回の抽選で当たる最高額は数百万から数千万バーツだが、一般的には皆確率の高い数千~数万バーツを狙って購入する様だ。その場合予想するのは6桁のうち下2桁から3桁なので、当選確率は高い。実際これ位の額を当てたという話はそこらじゅうで聞く。

最近のニュースで聞いたのは、定価一枚80バーツのくじを100バーツで売ったことで販売人が訴えられたとのことだった。しかも実際に調査してみれば100バーツで買っている人はかなりいるのだという。また、販売人の仕入れ値は72.5バーツとのことで、雇用創出が目的であるにしてもこれでは幾ら売っても生活は楽にならないだろう。逆に間を取って90バーツとし、販売者の生活向上を図るという様な粋な計らいがあっても良さそうなものだと思う。続報では新たな販売者登録を設けるとか、さらに本日のニュースで今度は、未成年者(20歳未満)の購入を禁止するとのこと。どうも現政権は働く者の為にではなく、何でも厳しくするのが良いと考えているらしい。おそらく政府側の考えは若年者や庶民の射幸心を煽るのは正しくないとでも言うのだろう。どうも酒販売規制に通じるものを感じる。通常でも午前11時から14時および17時から24時までしか販売が許されず、コロナ禍の規制でもすぐに街頭販売やレストランでの提供を禁止したがる。まあ確かに博打や飲酒で身を持ち崩す男性が如何にも多そうな社会で、実際サラリーマン時代に社内結婚した部下が博打による借金苦で飛び降り自殺をしている。しかしだからと言って国民全体にきつい規制をかけるのはお門違いだし、大した効果も無いのではないだろうか。しつこい様だが長期計画を以て教育の機会均等を計った方が良策である気がする。それは酒や博打という面だけではなく、広く階層で分断された社会を是正することになる。ここに長い間暮らせば実感として理解していただけることだが、ブルーカラーの人たちとは言葉が通じても理解し合うのは困難である。例えば内装工事の職人たちは親方が監督していなければ的外れな作業を進めてしまい材料が破損したり寸法があっていなかったり、購入した設備を取り付けるのに壁や天井を汚してしまう。また現場にある家具や備品の価値を理解しないので傷つけたりもする。高価な家電製品を販売する者はその商品と全くご縁の無い生活者だし、ましてやゴルフショップの販売員は100%ゴルフ場に立ち入ったことも無い。どんどん話が逸脱していくばかりだ。現実的には我々にしてもこの階級分断社会を利用しメリットを享受しているのは間違いないし、ポピュリズム政治を行う者は庶民へのバラマキと直接的な票の買収、さらに日当を支払い政治騒乱を起こしてまで為政者となる道を模索する。どこまで脱線するのだ。

さて宝くじだが、何かの拍子に一度だけ購入したことがある。昔よく当選番号を発表する紙面が街頭で売られていた記憶があり、商店街で聞いてみたが誰も知らなかった。全く恥ずかしいお話で、随分以前からWEB上で発表するシステムになっていたのである。この時を含め、何か抽選に当たったという記憶は、初めて買った馬券が正にビギナーズラックで一度だけ当たった以外何も無い。