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第76話 幼稚園で体罰

2020年10月31日 バンコク便り

バンコクに隣接するノンタブリ県にある「サラサート・ウィテード・ラチャプルック」という、幼小中高の一貫校における体罰事件が毎日ニュースで報じられている。この学校グループは生徒3,800名を抱える大規模な組織であり、今回事件となっているのはその幼稚園の園児に対し教師が日常的に暴力を振るっていたという世の親にとってショックな出来事である。当初、教師の一人が園児を突き飛ばしたり頭を小突いたりしている映像が流れたことにより発覚し、その教師がインタビューで、個人的なストレスが募り園児に当たってしまったと罪を認めそれで収まるとの見方をされていたのだが、教育省が調査を開始し、防犯カメラの映像を確認し始めると、このジュムという名の教師は1日に15回以上も暴力を振るい、また他の教師数名も体罰を行っていた、ランチタイムは5分しか無くすぐに教師が食器を取り上げ片付けてしまう、また当校に在籍する教師約400名のうち、教員資格を持っていない者が100名近くもいることまで発覚し大きな事件となった。

対処に当たっている教育省大臣補佐のカノックワン氏は保護者と学校側の協議の場にも参加し、暴力を振るった教師は厳しく法的処罰を行うと明言し、また保護者の要望、校内のカメラ設置、ランチタイムの延長、生徒に対する心理ケア、スクールバスの安全な運行等に応ずる様、学校側に命じている。

しかし当グループのトップであるピブン氏に対し新聞社が取材、またテレビのニュース解説番組中に行ったライブ取材の中での発言が火に油を注ぐ結果となった。取材者に対する彼の発言は「保護者は騒ぎ過ぎだ。金が欲しければやる」。番組のキャスターが「保護者側から全校閉鎖、または幼稚園閉鎖の要望が出ているがどうか」との質問には「うちの学校が閉鎖してもこの人数を受け入れられる学校があるのか。幼稚園だけにしても同様だろう」とキャスターも番組に出演していた保護者も一同唖然とするばかりであったという。さらに教員免許の件について「私自身も長年教師を勤めているが、そもそもその様な資格など

持ってはいない」と述べた。金と名誉を得たことで世の中を見誤る老人の典型かも知れない。

司法もこれら教師の処罰について対応しており、すでに2名の教師は起訴されているとのことである。