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第189話 年頭にあたり

2021年01月10日 所長の眼

謹んで新年のご挨拶を申し上げます。願わくは晴れ晴れとした気分で新年を迎えたかったところですが、相変わらずの自粛ムードの中で、禍の終息を願いつつ令和3年がスタートしました。

新型コロナは人々の命や健康を脅かすだけではなく容赦なく経済活動を減速させ、企業に対しては「適者生存」の難題を突き付けてきました。負けてはならぬと新たなチャレンジも始まっています。リモートに代表される非接触の手法、滞留在庫の新たな販売ルートや販売方法、飲食業におけるデリバリーの台頭、対面販売の見直しなど新しい発想が矢継ぎ早に登場しています。テレワークなど先送りされてきた企業文化の進化も始まっています。これも「適者生存」の表れです。一年前には誰も予想しなかったことですが、この流れがコロナ終息後に止むとは思えません。

話題は変わりますが、今まさに中小企業のM&Aが注目を集めており、弊社も昨年から一般社団法人新潟スモールM&A協会を通じてお手伝いをさせていただいております。まもなく協会の理事を務める齋藤由紀夫が協会を代表して読者の方々にM&Aの最新情報をこちらのコラムを通じてお届けすることになっております。これで執筆陣は5名ということになりますが引き続きご愛読いただければ幸いです。さて、M&Aが注目を集める背景には、売手企業側にとっては外部の後継者探しの手段として有効であることが、事業拡大を目論む買手企業側の利害と一致すること、最近ではネットによる売手・買手の情報収集が容易になったことなどが挙げられます。加えて、世界第3位のGDPを横目に後れを取っていると言われる日本の生産性、その改善には中小企業の規模拡大を通じた生産性の向上が重要とする政府の成長戦略会議がまとめた「実行計画」(昨年末)の思惑と一致するという側面もあります。しかしながら企業規模云々が全てではありません。ローカル企業には地域に根差したきめ細やかな対応により存在意義を高めることができるという大きな強みがあることを忘れてはなりません。

すでにご承知の通り菅総理は年頭所感で「デジタル」を源泉として「経済社会を大きく変換」する意思を示されています。中小政策を巡りデジタル化を阻む商慣習や商取引の洗い出しに重点を置くなど具体的な取組みが始まろうとしています。DXといわれる変革は特定の業界にのみ関わるものではありません。いずれどちらの業界であってもこれを追い風とする企業は現れるでしょうから、やはりここでも「適者生存」と向き合うことになります。しかし、最新の経産省のDXレポートによりますと企業全体の9割が未着手か途上にあるとしています。理屈は解るが前途は多難といったところですが、漫然と構えているわけにもいかず悩ましいところです。

経済の先行きはますます不透感が深まっているように思いますが、少しでもお役に立てるような情報を提供できるよう努めます。本年もよろしくお願い申し上げます。