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第182話 コロナ禍の終息を願う。

2020年07月01日 所長の眼

年が明けた1月の後半に日本でも新型コロナウイルスの感染者が確認されるやいなや翌月にはダイアモンドプリンセス号の感染爆発騒ぎ、そしてその後の状況についてもご存知の通り、まさにコロナ禍に巻き込まれた数カ月間でした。当初は恐るるに足らずと豪語した輩でさえもやがては「自粛」を受け入れざるを得ないほどの尋常とは言い難い事態に。国民が一丸となって「自粛」に取り組んだ末に緊急事態宣言解除までこぎつけたとはいえ、いまだに終息を見通すことができない状況は相変わらずです。

ところで、弊社が所属する一般社団法人日本中小企業経営支援専門家協会(JPBM)は、アジアで活動する日系企業とリモートで今回のコロナ禍における海外拠点ビジネスについて6月9日に情報交換会を小職が司会を務め行いました。中国からは南京市にある工場などの電源設備メーカー、ネパールで日本人観光客向けサービスを提供する企業、ベトナムのハノイ市のIT企業、バンコクからはこのコラムでもお馴染みの小川邦弘、日本を代表してJPBM代表理事という顔ぶれです。既に開催後1カ月経過していますが、今回はそのほんの一部をピックアップしてお伝えします。

中国・南京市ではほぼ全メーカーが活動を再開しており、市民生活も公共の場でのマスクの着用義務はあるものの上海・南京を新幹線で移動できるなど地域限定ながらビジネス上の往来が始まっているとのこと。直近ではコロナ以前の受注に応えるため現地工場にて製造は再開されているものの建築現場では日本人技術者が立ち会えないために作業が滞る事態などが発生していており、一部再開といいつつも本格回復にはまだまだ時間がかかるようです。

報道でも知られていますが、ベトナムはコロナ対策では最も成功した国の一つとして紹介されています。現地情報によれば2月の初めから全国規模で学校は休講になるなど素早いロック・ダウンが功を奏し、4月に入ってからは感染者はほぼいない状況に加え、現在ではレストランや公共交通機関などの利用を含め全く普段通り生活が営まれているとのことです。工場などの活動もフル稼働ではないもののコロナによる不安といったものは感じられないところまで来ており、経済的なダメージを最小限に抑えることに成功しているようです。人命や経済的なダメージを最小限に抑えるためには、いかに早期対応がキーになるかをベトナムの例がよく教えてくれています。

フリートークを含め時間的には1時間20分ほどかけて様々な情報交換が行われました。今回の企画全体を通して感じたことは、先ずは限定的な地域・国単位ではあるものの、アジアではそれぞれの場所で生活や経済活動が徐々に元に戻す努力が行われているという印象を持ちました。しかし一方では、再び人々が安心して国境を越えて往来できるようになるまでは本来の経済規模に戻るためのスタート・ラインに立つことは難しいということも再認識させられました。早くその日が来ることを願うばかりです。