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更新情報

第165話 軽減税率導入からインボイスまで(その2)

2018年12月15日 所長の眼

さて、来年10月から導入される軽減税率そして2023年からのインボイス制度導入までの一連のお話しの第2回目となりますが、前回は「区分記載請求書等保存」が来年10月から始まり、その請求書等には8%と10%の2つの税率を混同することなく特に軽減税率対象品目についてはそれが明示されたものを保存しなければならないことをお伝えしました。その後2023年の9月まではその方式によることになります。

そして2023年10月1日から導入されるのが「適格請求書等保存方式」です。いわゆるインボイス制度です。「適格請求書」というのは売手が買手に対して正しい適用税率や消費税額を伝えるための手段とされ、この「適格請求書」を発行するのは予め登録された事業者(「適格請求書発行事業者」)に限られることになります。そして後述するとおり未登録の事業者とは区別されます。

下の図は売手サイドが発行する「適格請求書」の例です。ポイントは点線で囲んだ「登録番号」と「税率ごとに区分して合計した消費税額と適用税率」の記載のところです。このように仕入先の「登録番号」などが記載されている「適格請求書」を買手が保存することで買手は税務署に納める消費税額を計算する際に仕入税額控除ができる仕組みとなります。

invoice

このほかにお客の宛名が記載されないようなスーパーや飲食店またはタクシーなどレシートについては「適格簡易請求書」と位置づけ同様の取り扱いがなされます。

蛇足ですが、前述の未登録の事業者から仕入れをした場合には、「適格請求書」の交付を受けることはできません。その場合の買手は原則的には仕入れ税額控除ができませんので、その事業者との取引を敬遠するかもしれないということは容易に想像できます。自ずと売手は免税事業者を継続すべきかどうかの判断を迫られることになるでしょう。

前回と今回の2回に分けて主に請求書の様式に絞って、軽減税率導入からインボイス制度までの流れを説明しました。このほかにも押さえていただきたい様々なポイントはありますが、それぞれ別の機会に説明させていただきます。