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第162話 “B to C”は税込、 “B to B”は税抜

2018年09月30日 所長の眼

外食や買物をする際に、980円と思い込み1,000円札を用意していたらレジで「1,058円です。」と言われて慌てたことはありませんか?ご存知のようにレストランのメニューや店頭に並ぶ商品の価格表示には税込みで表示されているものとそうでないものがあります。原則的には税込みで表示することになってはいるものの、一定のルールを守れば本体価格での表示が認められているために“勘違い”が起こることになります。敢て税抜きで表示するのは売る側の都合なのです。したがって、このお店は“税込み”と“税抜き”のどちらで表示されているかの確認は消費者が行うことになります。少々大袈裟ですが“アウェイ” 感を覚えませんか?斯くいう私は、いちいち表示を気にする方ではないのですが・・・。とはいえ、来年10月の消費税率アップと軽減税率導入を控え、そもそも法律としてどうなのか。

消費税法では「・・・消費税額及び地方消費税額の合計額に相当する額を含めた価格を表示しなければならない。」と定め、いわゆる“総額表示”を義務付けています。総額表示を義務づける理由は、価格の比較がしづらいとか、消費者が値札等を見れば支払総額が一目で分かるなどといったものでごもっともな話ではないでしょうか。

ところが、「総額表示に関する消費税法の特例」により、一定条件のもとで2021年3月末まで“総額表示”はしなくてもよいということになっています。期限付きながら税込み表示は努力義務といえます。背景には消費者マインドへの配慮があります。

いまさらですが、表示の許容例は、○○円(税抜)、○○円(本体)、○○円+消費税、○○円(税別)、などなど様々です。ほかにも、商品の値札や棚札等には「○○円」と税抜価格のみを表示し、店内の目につきやすい場所に「当店の価格は全て税抜表示です。」などと誤認されないように表示する方法などもあります。こうしてみると、消費者の“アウェイ” 感は少々どころではく“アウェイ”そのものです。私は、総額表示であれ税抜表示であれ統一されていないことの不便さは解消されてほしいと願う者のひとりです。ここまでは“B to C”の話です。

“B to B”では、消費税はあくまでも仮受・仮払となりますから本体価格を意識した取引となるのは言うまでもありません。この場合、売り手が本体価格での交渉を望んでいるにもかかわらず、買い手が「税込価格の見積書しか受け取りません。」などと拒否する、税込価格での見積書を再提出させる、あるいは税込価格しか記載できない見積書の様式を定めるなどの行為は「消費税転嫁対策特別措置法」により禁止されていますのでご注意を。