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第158話 企業継続の秘訣

2018年04月12日 所長の眼

前回は自社株承継と税金の話題をとりあげました。その中で「所有」と「経営」の一致が中小企業の事業承継のポイントの一つということを申し上げましたが、その両輪を保ちながら幾度となく事業承継を重ねた企業はやがて「老舗」と呼ばれるまでになるのでしょう。取りも直さず中小企業の事業承継は「老舗」へと向かう一つの節目と言えます。
さて、前置きはともかく、今回は私が懇意にさせていただいている塩見哲氏の著書「京都老舗企業に学ぶ企業継続の秘訣」(清文社)を紹介いたします。同氏は中小企業の経営や不動産活用の支援などで全国的にご活躍ですが、その傍らで奥の細道をサイクリングで走破されるなどバイタリティな一面もお持ちです。もちろん、新潟にも立ち寄られましたが、その際のサイクリストとしての颯爽としたいで立ちは今でも印象に残っています。
この本では17の老舗をピックアップし、時代変化への見事な対応ぶりを紹介しています。京都という地域柄もあって伝統的な業種ばかりが登場しますが、培われた技術やノウハウを活かして時代の変化に対応する様子は見事としか言わざるを得ません。
ここで紹介されている老舗の元々の生業を紹介すると、「麦飯とろろ」、「西陣織」、「麩(ふ)」、「和傘(かさ)」、「団扇(うちわ)」、「豆腐」、「手ぬぐい」、「旅館」、「和ローソク」、「料亭旅館」、「金箔」、「絵の具」、「仏具」などのキーワードが並びます。おそらく一歩間違えば「時代遅れ」の烙印を押されかねないものばかり、もしあなたがこの生業を継がなければならないとしたら・・どう対応されますか?その答えはこの本に収められています。
筆者は老舗の10の原理原則を纏めていますが、ほんの一部を紹介します。
 時代の変遷時にビジネスモデルを変えるのではなく、時代の先読みをしながら未来の姿を組み立てられている。
 頑固型経営ではなく、臨機応変型経営を徹底されている。
 伝統こそが信用であり、かつ伝統は革新の連続であるという意識が会社全体に浸透している。

等々、紹介はここまでですが、老舗が老舗たりうるのは何故かをお知りになりたければ必読の書です。
なお、この書で紹介されている「京都老舗体感ゼミナール」への参加を希望される方がいらっしゃれば紹介いたします。
siomi