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第48話 タイ経済高成長の兆し

2018年04月12日 バンコク便り

ここへ来て経済見通しに関する明るい話題が目に付く様になった。

国家経済社会開発委員会(NESDB)が今後のタイ経済についての楽観的な見解を表明した。その根拠とされているのは、昨年第4四半期における輸出、民間投資、個人消費等の分野で予想外の進展を示したことである。

NESDBによると、この期間においてタイのGDPが4.3%の伸びを示したという。第1四半期の3.3%、第2四半期の3.8%と比較すれば画期的な数値であり、これは2013年第1四半期以来の最高成長率であった。

これで昨年通年のGDP平均成長率が3.9%となり、当初の成長予測を上回る数値となっている。

この成長ぶりについてNESDB首脳は3つの要因、つまり輸出の回復、個人消費の拡大、工業セクターの復活を挙げた。工業セクター復活を牽引しているのは、もちろん基幹産業である自動車生産であり、前年同期比で13.4%の成長を遂げたとされている。

自動車産業については、本年1月の単月でも66,545台を販売している。国内のサプライ・チェーンを含めた産業構造を考慮すれば、これはタイ経済全体にとって重要な意味を持っている。現在主要メーカーでは多数の新モデル投入計画が控えており、更なる生産拡大が期待される。

また同首脳は、タイの輸出が今年第1四半期に、約630億ドルに上るという見通しを明らかにし、これは前年同期比8.0%の伸びを示している。これは過去19四半期で最高の数値でもある。

さらに同首脳は、所得の増大による個人消費の回復ぶりに言及し、昨年第3四半期には前年同期比で3.1%の伸びを示したとしている。

今後の見通しであるが、製造業者(主に自動車製造及びその部品メーカー各社)は景気回復の兆しを読み取り着々と設備投資を行っている。プアタイ党政権が行った悪名高い「1台目新車購入に対する税還付策」も5年が経過した今、車の譲渡が解禁され、自動車購入のインセンティブの一つになるだろう。

タイ経済が、近い将来の新車売れ行きの伸びにより、さらなる個人所得の増加に結び付き消費が増大することになれば、この景気回復傾向が本物だということになる。大いに期待したい。