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【製造業】原因はそこじゃない!

2018年02月13日 コンサルの眼

先日、金融機関からの依頼である製造業の経営改善を実施しました。

大手メーカーからの下請けをしており受注はありとにかく忙しいものの資金繰りが多忙だというのです。

事前に会社からヒアリングして把握していた課題は

①価格交渉がうまくいかず利益確保が困難
②外注費の高止まり
③3S(整理・整頓・清掃)が進展しない
④資金繰り難

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一番ダメージを与えている元凶はなにか?

調査を進めていくには
経営に一番ダメージを与えている課題の原因は何か
を把握するところから始めます。

事前にヒアリングしていた窮境要因をみると、

仕事はあるものの、取引価格の値上げが難しく、
外注費の高止まりもあるため利益率がよくない・・・」となっています。

しかし実際に財務資料や現場での実地調査を進めていくと違った課題が見えてきました。
このような調査で大切なのは、

自分たちでコントロール可能な課題とコントロールが難しい課題の見極め と

もっとも早急に手をつけなければいけない課題を見つけ出すこと です。

そういう意味では【在庫】を軸にした資金繰り改善がイメージできました。
この改善が進まないと、いくら利益率や外注費を改善しても資金繰りは厳しいままです。

(1)過大な在庫
同社の数年分の財務資料をみると、棚卸在庫が恒常的に年商の半分近くあることがわかりました。
しかもその在庫の半分は半製品や仕掛品でした。
つまり製造途中でまだ納品できていないものがたくさんあるということです。
(例えば、年商1億円のA社で在庫が5000万あり、うち仕掛・半製品在庫が2500万円もあるイメージです)

また「正常運転資金」(材料仕入から在庫期間を経て売上金回収までに必要な資金)を計算すると、
やはり年商の半分ちかく(上記A社の例でいうと約5000万円)の資金が必要になることがわかりました。
正常運転資金は在庫が多いと多額になりますのでいかに在庫が過大かがわかります。

そりゃ資金繰り逼迫しますよね。

(2)在庫が膨らむ原因は?
現場の製造ラインの調査を進めていってまず感じたのは

①工場は狭くないのになんか狭い!
→使われていない大型の機械や古い金型、中途半端な原材料、作業途中の仕掛・半製品etc…
が積み上げられており、かつ見通しが悪い。
(階段の一段一段や梁にも要らない金型が。。。)

②製造工程がいったり来たりしいてとにかく動線が悪い
→材料の搬入から各工程を追っていくととにかく行ったり来たりしている。

③置き場所
→半製品は各工程の横に積み上げられており、全体としてどの程度の仕掛品があるのか、
いつまでに出荷する必要あるのかが把握できていない。
(出荷日別に在庫を仮置きするスペースがない)

④受注・発注の権限が不明確
→取引先担当者の無計画で急な注文が当社の生産計画を乱す要因になっていました。
これは当社からの営業アプローチが適切になされていないことが原因です。
一方で社長や会長などが独自に受注してしまうことがありコントロールができていません。

(3)設備の老朽化
工程上、重要な機械装置の老朽化すすんでおり、
もし故障で稼働停止した場合は製造ラインに重大な影響がでてしまいます。
この老朽機械は癖があり加工作業にもテクニックが必要であったり、
治具の取替え(段取り替え)が頻繁に必要であり、
ここでリードタイムの短縮にはポイントとなる設備だと感じました。

(4)社内の情報共有
あるとき、恒常的に注文がある製品(定番品)の在庫がきれてしまい納品できないことがありました。
工場長が他の注文品の製造に忙殺されてしまい定番品の管理が疎かになってしまったようです。
各担当者は作業日報を作成し社長に提出していましたが、
現場管理者である工場長や作業員全員での共有は全くされていなかったのです。

様々な課題があるなかで要点のみですが、
皆さんはこの会社の改善の優先順位やストーリーはイメージできますか?

次回は具体的な改善策についてです。