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第45話 タイの振り込め詐欺

2018年01月11日 バンコク便り

詐欺の手口が海外に波及するのは当たり前になってきているが、振り込め詐欺で逮捕されるグループも時々報道されている。昨年11月にも台湾人、中国人、タイ人のグループ11名が逮捕された。

その手口の稚拙さから騙される人は非常に少ないと想像するが、私の携帯にもそれらしき電話が年に数回は入る。話の内容は、ファイナンス会社を装い「あなたがいついつ買い物をしたxxxバーツ(大抵10数万)が未払いになっているので振り込んで欲しい」というのが殆どだ。10数万バーツの支出をして覚えていない筈はないし、それを振り込むというのもあり得ない。第一先方の話すタイ語が、とてもじゃないが金融会社の窓口が話すとは思えない、失礼だがあまり教育レベルの高くない人の口調である。また背後から雑音がガヤガヤと聞こえてくるのも、ハナから疑って下さいと言わんばかりの雰囲気だ。もう少し日本の詐欺師達からその洗練されたストーリーや演技力を学んでいただき、レベルアップをしてから実践をして欲しい(いや欲しくないが)ものだ。

最近は信用させるために設備投資をしたのか、自動のオペレーター音声で仕掛けられることがあるのだが、これもタイ語の発音がなっていない。先ず演技に適した人材を探す努力位したらどうだろう。

これもやはり国民性に大いに関わっているのではと思う。元来タイの人たちは個人の自由を一番大切にするので、団結した集団でことを成すということがとても苦手だ。これが一方で企業マネージメントの困難さを生じさせる大きな要因でもあるのだが、きちっとした(表現が不適切か)犯罪集団、反社会的団体が蔓延らない原因なのだ。

警察官の起こす犯罪は権力を直に振り回す極めて悪質なものが多いが、一般犯罪者が画策する手口は、いかにも緩い、ある意味良心的なケースが非常に多い気がする。しかし計画犯罪ではなく感情や忍耐の限界を超えてしまう突発的な犯罪は、残忍で悲惨な結果を招き易い、というのも一つの傾向だ。