2017年08月10日
企業の内部留保として蓄積されがちな企業利益を従業員に還元、消費の増加に結び付け経済の好循環を促すとの期待が込められた税制「所得拡大促進税制」はご存知でしょうか。この制度を一言でいうと「賃上げ」が「節税」になるということになります。もちろん適用を受けるためにはいくつかの要件をクリアしなければなりませんが、平成29年度の税制改正でその適用要件が緩和されていますので、ご紹介しましょう。
<3つの要件>
①給与等の支給額の総額※1が基準事業年度のものより一定割合以上増加している。例えば平成29年度では中小企業者等については3%以上増えている必要があります。
②給与等の支給額の総額が前事業年度より増加している。
③平均給与支給総額が前事業年度より増加している。
※1 給与等の支給額の総額とは、雇用者に対する給料や賞与の総額ですが、役員やその親族の分は含みません。そのほか退職金は含めず判定するところも留意点です。ちなみにこれを「雇用者給与支給総額」といいます。
今年度の税制改正で中小企業者等については税額控除額の割合がアップされることになりました。これは上記の③の平均給与支給総額が前事業年度より2%以上増加している場合に適用され、税額控除の割合は通常10%のところ12%上乗せされ22%となるものです。これを説明したものが下の図になります。
その他の詳細は省きますが、見逃し易い税金の特典なので紹介いたしました。
(参考)中小企業庁 http://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/zeisei/2017/170307zeiseikaisei.pdf