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第39話 バンコク都順次屋台を廃止へ

2017年07月10日 バンコク便り

報道によれば、バンコク都内では地域ごとに路上で営業する屋台を廃止、実施はすでに開始されており、今年中には都内全域で露店営業が禁止される、と云う。、という。職場近くのシーロム通りではすでに昨年11月より午前5時から午後7時までの営業は禁止されている。
昨年10月、政府は汚職疑惑で調査を受けていたスクムバン全都知事を解任し、新知事を任命した。(タイの知事は選挙によってではなく、政府の任命制により就任する)アサウィン新知事は、かねてより露店営業の廃止を主張していた人物だと言われている。
個人的には露店や屋台を利用することは殆ど無いので何の不便も感じず、歩道のスペースをかなり狭めているのは確かで「世界一歩きにくい都市」では無いかと常々感じていた。特にフランス統治時代に都市設計された近隣国、ベトナムのホーチミンやカンボジアのプノンペンなどは、実に散策に適した広くて気持ちの良い歩道ばかりなので、つい比較してしまう。また屋台料理が安くて美味しいのは確かだろうけれども、水道の無い店で使用される食器類や食材にはかなり抵抗がある。
ただ私自身が利用しようがしまいが、多くの市民が利用しているからこそ多くの露店・屋台が営業し、多くの人たちがそれを生活の糧としている。地域によっては数百件が集中し営業しており、携わる人々は全域で数千人になるのでは無いだろうか。普通に考えて、都の政策によってこの人数が失業すれば何らかの社会問題になるのではないか。しかしその様な話は噂にも聞かない。さすがタイ市民、お上に対しては従順で楽天的、肝が据わっている。
自治体サイドにしても、では清潔な代皆スペースを設置して移転して貰うなどの緩和策が同時に発表されても良さそうなものだが、そんな話もない。不思議なことだ。マレーシアやシンガポールではすでに数十年前から路上の露店は無く、その代わりにホーカーと呼ばれる、広場に大きな屋根のあるオープン・スペースが設置され、清潔な屋台が集中営業している。
ということで早速現場を歩いた。

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一つ目の写真は事務所前のスリウォン通り。シーロムと平行している隣の通りだが、屋台は営業中、ただし件数が減った様だ。
次の写真は営業禁止されたシーロム通り(写真右)。屋台が無くなった代わりに、取り締まりが来たら店仕舞いし直ちに逃げ出せるような物売りだけが営業中。さすがに逞しい。
最後の写真のシーロムから枝分かれしたコンベント通りはすぐ近所でありながら屋台が盛業の模様だ。
今回の政策を税補足目的と見る向きもある様だが、それはあり得ない。何故なら店舗を構えて営業する個人事業者も、税制を全く無視していることでは同様だからだ。それが目的なら、先ず平等に高等教育を受けられる様な改革を進めなければ、税制の初歩を理解し義務を果たそうという認識が庶民の間に浸透しない。
*続報
4月24~25日付報道によれば、屋台事業者側から「この政策が実施されれば数千人の市民が路頭に迷う」との抗議が上がり、都庁側もカオサン通り、華人街のヤオワラート通りなど特に屋台が集中している地域については取り締まり地域から除外する、との緩和策を発表したという。当然の結果だろう。