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第38話 数字縁起

2017年06月20日 バンコク便り

タイ放送通信委員会において3月18~19日、携帯電話番号の競売が行われ、最高落札額は802万バーツ(約2,600万円)であったと報じられた。最高値の電話番号は「091-999-9999」だそうである。それに次ぐ落札額は661万バーツ(約2,100万円)で、落札された番号は「088-999-9999」、落札額総額は76番号に対し1億2,049万バーツ(約3億9,000万円)ということだ。

前回(2016年11月)の同オークションでは「9」が並んだ番号のスタート価格に約6,300万円が提示され、さすがにこれは高すぎると批判されたため、今回は適正価格?に改められた模様だ。

また2014年のバンコク陸運局による自動車ナンバープレート競売においては、「1กก1111」のナンバーが2,500万バーツ(約8,100万円)で落札されている。何と落札した学生さんの愛車は価格約50万バーツの日本車というのだから、この金銭感覚には驚かされる。特に車のナンバーに対しては「縁起が良い」→「事故に遭わない」という気持ちが働くので高値での取引がされる、らしい。僧によるお祓いを受けた車両もよく見かける。これは前面のガラスに、聖水で溶いた白い色でお経などで使われている文字(おそらく古代インドのパーリ語)が描かれているのでそうと分かる。

どこの国でも縁起の良い、または悪い数字はあるのだろうが、タイの巷でよく言われる縁起の良い数字代表は「9」である。これは「9」のタイ語発音〝ガーウ″が「歩みを進める」という意味の「ガーウ」(日本語表記では違いを表現できないが)に似ているからとされている。

一般的に偶数より奇数が良いとされるが、「8」の場合は例外で「運気が上がる」と言われている。上記ナンバーの様なゾロ目も良い。「1กก1111」は、「1」も始まりの数字、「ก」もタイ語の50音中1番初めの文字「ガイ(鶏)のゴーで50音はゴーガイから始まる(ああ、説明し辛い。第一50音じゃないだろう)」なので7桁すべてがゾロ目のイメージなのであろう。2文字目は「ข」、「カイ(卵)のコーでコーカイ」。蛇足。

逆に縁起の悪い数字代表は「6」で、発音すると「ホック」。これが「転ぶ」という意味の「ホックロム」に類似しているからという。また「0」、発音は「スーン」で「消失する」という意味の「スーン・ハーイ」に似ているからとのこと。

やや悪の数字としては「7」、発音は「ジェット」。これが「痛い」や「ケガをする」という意味の「ジェッブ」に似ているかららしい。なのでラッキー・セブンは否定されるということになります。

 未だ景気は伸び悩んでいると言われているタイだが、この現象を「景気回復の兆し」と見るべきなのか、ただの「富の偏在」なのか、よ~く考えてみよう。

安価な落札額の携帯電話番号は、民間市場「マーブンクロン」(携帯電話ショップが多数出店するショッピング・センター)へ流れてゆく。