2015年12月28日
自由民主党・公明党の平成28年度税制改正大綱が12月16日に公表されました。今後は閣議決定を経て法案として国会に提出され年度内の成立に向け審議が進むことになります。そこで今回はその大綱についてポイントを絞り法人実効税率の引下げとそれに伴う課税ベースの拡大について取上げます。
『経済の「好循環」を確実なものにするため、税制においても、企業が収益力を高め、前向きな国内投資や賃金引上げにより積極的に取り組んでいくよう促していく必要がある。こうした観点から、成長志向の法人税改革を更に大胆に推進し、制度改正を通じた課税ベースの拡大等により財源をしっかりと確保しつつ、法人実効税率の「20%台」への引下げを実現する。』(大綱引用)とあるように、税率引き下げは行うが減少する財源は課税ベースの拡大(増税)で確保すると説明されています。
さて、法人実効税率は平成27年度の32.11%から、段階的に引き下げられ平成30年度には29.74%にまで下がるとされています。この引下げに関しては報道などで既に周知されているところだと思いますので詳細説明は避け、ここでは対する「課税ベースの拡大」に焦点を当ててみたいと思います。
既に行われている平成27年度における負担軽減と外形標準課税の拡大を踏襲しさらに踏み込んだ内容となっています。ただしこちらは資本金額が1億円を超える大法人が対象となっています。
平成28年4月1日以後に取得する建物附属設備及び構築物の減価償却方法が従来の定額法と定率法の選択から定額法に一本化されます。
平成27年度の税制改正で既に縮減の方向性は示されていましたが、前倒しの縮減と縮減期間の延長という修正が加えられました。
平成27年度までは即時償却、税額控除なら5(又は3%)であったものを平成28年度の特別償却50%(又は25%)、税額控除4%(又は2%)での適用を最後に廃止されます。
上記以外にも中小企業が注目すべきいくつかの税制について取上げられていますがその内から2項目だけ紹介しましょう。