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『エッセンシャル思考』 より少なく、しかしより良く

2015年06月28日 コンサルの眼

グレック・マキューンの『エッセンシャル思考』を読みました。
このグレックさん、「Apple、Google、FaceBook、Twitter、LinkedIn、セールスフォース・ドットコム、シマンテックなどの有名企業にアドバイスを与えている」方のようで相当のヤリ手のようです。


本国アメリカではNYタイムズやWSJでベストセラーになり、日本でもビジネス書大賞2015で「書店賞」を獲得した本です。
LinkedIn創業者のレイドホフマンなど時代の寵児たる方々が推薦文をかいていて、いやがうえにも期待が膨らみます。

 

シンプルに生きるための エッセンシャル思考

要は、毎日津波のように押し寄せる膨大な作業や決断のなかから、もっとも重要なこと(本質=エッセンス)を見極めてそこに集中し、それ以外は計画的にそぎ落としていくこと、です。
つまり『 より少なく、しかしより良く 』ということ。

 “ 「やらなくては」「どれも大事」「全部できる」ーこの3つのセリフが、まるで伝説の妖女のように、人を非エッセンシャル思考の罠へと巧みに誘う。 ”   ・・・う~ん、なんか思い当たる節ありますねぇ

「そんなの分かっているよ!」っと思うかもしれませんが、このようにまとめられると清々しい気持ちになります。

ノウハウ本というよりより良く生きるためのライフハック的な内容ですが、「選択とトレードオフ」、「今何が重要か判断の軸を作る」など、改めて考えを整理できました。
そういえば、今年の初めに立てた新年のテーマは「選択と集中」だったな、と思い出しました。。。(汗)

選択とトレードオフ ~トレードオフを当たり前の現実として受け入れる~

私たちは時間とエネルギーの使い道を選ぶことができます。だからこそトレードオフを引き受けることも必要になるのです。

全てを手に入れることはできない。何でもかんでもやるなんて不可能。
何かを選ぶことは、すなわち何かを捨てること(=トレードオフ)。
「どうやって全部終わらせようか」、と考えるのをやめて、「どの問題が一番重要か」と考えましょう。

逆説的ですが、検討せずに何でも引き受ける人に比べ、エッセンシャル思考の人はより多くの選択肢を検討することになるということです。 非エッセンシャルの人は何でも受け入れるが、エッセンシャルの人はあらゆる選択肢を検討し、最初の見極めに力を入れる、なんていうのもなるほどなと妙を得てしまいました。

 「 今、何が重要か 」を考える。 判断の軸を作る

本書でも書かれていることですがエッセンシャル思考が生かされるのは何もビジネスの現場だけではありません。

実はこの本を読み終えた翌朝に妻が出産しました。
ちょうどその日は東京出張の日で、大切な4回シリーズのセミナーの最終日でした。

未明に陣痛が始まり、恐らく生まれるころには朝7時の新幹線の出発時間は過ぎてしまうことは目に見えていましたが、最後まで出産に立会うことにしました。
新たな命を生み出すという人生の大仕事をやり遂げた妻のそばにゆっくり寄り添い、ふと時計をみると急げば午後の部に間に合いそうだったので急いで新幹線に飛び乗りました。
事前に懇意にしている講師の先生に連絡していたこともあり、遅れた分はきちんとフォローでき、主催者からお祝いもしてもらいました。

このとき、自分にとって何が重要か、という判断の軸が定まっていなかったら、事務所が投資してくれた高額なセミナー料をムダにしてしまうかもとか、産後まもない妻をおいて出張にでてしまい、あとで罪悪感に苛まれれいたかもしれません。

しかし自分の判断軸をきちんと定めておくことで、十分に産後の妻をいたわり、遅れたセミナーの内容を取戻し、周囲の皆からも祝福してもらうことになりました。

もちろん、帯書きにあるように「99%の無駄をすて、1%に集中する」なんてことは、とくに集団における秩序や調和、礼儀を重んじる日本社会ではなかなか馴染まないのかもしれません。
でも日本風にアレンジすることは十分にできるような気がしました。
さいごに本書の後半に書かれている一節を・・・

『 考え方が心の底までしみこんだとき
   それは自分を内側から変える力となる 』

さて、下半期に向けて軌道修正じゃ!!

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