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第120話 年頭のご挨拶

2015年01月01日 所長の眼

平成二十七年の新春を迎えるに当たり謹んで新年のご挨拶を申し上げます。昨年は弊事務所は満二十五歳にあたり記念行事を開催させていただくなど節目の年となりました。あらためて皆様方からのこれまでのご支援に感謝申し上げる次第でございます。そして私といたしましても所長就任時の初心を原点としながらも様々なことにもチャレンジしたいという思いで新たな年を迎えております。

もうすでにご承知のとおり平成二十七年から相続税の基礎控除額が引き下げられました。これにより相続税はより身近な税金と実感することになります。このことは法人税や所得税の税収の減少傾向にあるなか、一方で家計の金融資産残高千六百兆円の内、その6割が高齢者が所有しているという状況をかんがみて以前から予想されていたことではありました。国際的には相続税制がない国も珍しくない中、心情的にはここまで国民に負担を求めることはいかがなものかと思う反面、資産格差の拡大に対して相続税制が果たす富の再配分機能を再認識すべきという声もあります。財産課税の動向については今後も関心を寄せていかなければなりません。しかし、結婚・子育て資金、教育資金や住宅取得資金など次世代への生前贈与や貯蓄から投資への資金移動に手厚い税制改正も行われております。利用者側のニーズとマッチングさえすれば先の相続税の増税分を減殺する効果が期待できます。このように税に関する情報を正しく把握し活用していただくことは従来にも増して大切であると考えております。

中小企業に対する会計事務所の経営支援に関しましては税務・会計といった分野に限定されることなく期待されていると認識しております。昨年は独立行政法人中小企業基盤整備機構との共催による「経営管理会計」導入のためのセミナーの実施や「中小企業の経営コンサル」(中央経済社)の出版に関わるなど、経営支援の分野でも具体的な取り組みを行うことができました。また、公表できるものではござませんが事業再生へのお手伝いも着々と実績を積み重ねております。手間と時間を必要とするものではございますが、引き続きひとりでも多くの経営者の方々の手助けをしたいと考えております。

昨年、新たなチャレンジとしてタイ・バンコクに事務所を開設しました。この事務所の運営は現地の友人と共同で行っており、あくまでも海外進出を目指す中小企業の支援を目的としたものです。現地事務所の開設から九カ月でなんとか収支を合わせられるところまできました。おおよそ予測通りに推移しておりますが、見方を変えれば海外に活躍の場を求める企業が後を絶たないという証でもあります。企業は刻々と変化する情勢を見極めつつ、生き残りの道を模索しています。それが活躍の場所で解決できるものであれば、国の内外に拘っているときではなくなってきたともいえます。そんな中にあってほんの一角とはいえ企業の海外進出の現場を実感できるポジションが傍らにあるわけで、今後に活かしていかなければと考えています。

世界中で読まれており、日本では昨年暮れに発売された「21世紀の資本」(トマ・ピケティ)という六百頁を超える分厚い経済書が大きな反響を呼んでいます。そしてIT分野は指数関数的に進歩し、二年後は二倍ではなく四倍、三年後は三倍ではなく八倍(二の三乗)という上昇曲線を描いて発展していくと言われています。相当の想像力をもってしてもこれからの世の中の移り変わりを読み切ることは容易なことではありません。私どもは常にアンテナを張りながらも地に足をつけ地元の皆様に顔を向けて仕事をしていくことを基本とします。しかし求められるのであれば「変わる」ことへの躊躇もありません