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強みの呪縛~競合と上手く付き合う~

2016年05月04日 コンサルの眼

先日、ある経営者やそのスタッフの方と会食する機会があり、ふと”競合(ライバル)”について話をしました。
お酒の席でしたので思い浮かぶことを次々に話していたのですが、私たちはもっと「強みの呪縛から解放されて競合と上手く付き合う(使う)」ことに知恵を注いでもいいんじゃないかなぁっと感じました。

自社の商品やサービスと競合するもの(競合商品)だけでなく、自社の商品やサービスに代替するもの(代替品)も競合ですよね。
よく「競合分析」をして、自社と競合との違いを明確にし、自社が持っている”強み”にさらに磨きをかけた上で、ポジショニング戦略に落とし込む、なんてことをするようですが、「強み」に固執しずぎて周りが見えなくなると結構痛い目に合うかもしれませんよ。

例えば競合との付き合い方で失敗した例として

【任天堂とスマホゲーム】

ご存知のとおり任天堂はスーパーマリオをはじめ数々の大ヒットソフトと、ファミコンやWii、NintendoDSなどのゲーム機(ハード)を事業の柱としてきました。しかし「誰がスマホなんかでゲームするものか」とゲーム機の開発を進め、その結果、かつては日本有数の優良企業と言われた企業も連年赤字計上という事態になりました。(2015年、携帯端末向けゲーム大手DeNAと業務・資本提携)

【新聞(TV)とネット】【紙媒体とWeb媒体】

「若者の活字離れ」なんて言葉もありますが、実際私たちは毎日スマホを片手にWebニュースやTwitter、Facebookで様々な情報を得ています。スマホから得る情報量はスマホ台頭以前に新聞などから得ていた情報量よりも多いという研究もあるようです。これはまさに「活字親密!」。
情報を提供するメディアが、情報を受け取る視聴者の変化に対応できていないだけですよね。
Yahooなどのポータルサイトは本来、既存メディアが率先して開拓していたら今ともっと違っていたんだろうなぁと思ったりしています(良いか悪いかは別にして。。。)
私の曽祖父はある地方紙の創業者なので、今の新聞業界のWeb対応と、業界の凋落をみると少し残念に感じてしまいます。

【家電デザインと家電の機能】

これも様々なところで言われていますが、「いかに早く、そこそこの性能でデザインの良い製品を販売するか」という市場の流れのなかで、日本の発展を支えてきたお家芸「製品の性能・最新の機能の開発」に力をいれた日本の家電メーカーがグローバル市場で苦戦を強いられた理由もそこにあるような気がします。 シャープと鴻海、日本のスマホメーカーとサムスンみたいにね。

競合ハ トモダチ コワクナイ!

大企業の例ばかりだしてしまいましたが、中小企業の例をご紹介しましょう。
昔、印刷業の企業の経営分析をしました。
ご存じのとおり、インターネットやPCの普及により印刷業の経営はかなり厳しいものがあります。
そうするとこの印刷業の会社の競合はインターネットでしょうか、それとも顧客の会社にある性能のいい複合機でしょうか。
この会社の場合、顧客企業を訪問した際にほとんど情報が更新されていない「会社案内」をみて、顧客企業のホームページの情報から会社案内を作成するということを考えました。
”競合分析”なんていうと難しく聞こえちゃいますが、「ライバル(競合サービス)を利用してどんな仕事ができるかな?」と考えるだけでも結構簡単に独自性のある戦略も考えられるかもしれませんよ。