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第133話 インボイスのイメージ

2016年03月16日 所長の眼

昨年12月に公表された平成28年度税制改正大綱には消費税の税額計算方法等について次のように記載れています。

『平成33年4月に、インボイス制度として「適格請求書等保存方式」を導入する。それまでの間は、簡素な方法として「区分記載請求書等保存方式」とするとともに、複数税率に対応した区分経理が困難な中小事業者や、システム整備が間に合わない事業者等がいることも想定し、税額計算の特例を創設する。』

以前も触れたことがありますが、いよいよ日本もインボイスベースの消費税申告が行われるようになるのです。そこで今回は「インボイス」をイメージしてみましょう。

  • 請求書や領収証が変わる

消費税額の記載はもちろんですが、事業者の「登録番号」の記載が必ず必要になります。この番号が付されている請求書などに記載されている消費税が積み上げられ消費税申告書とリンクすることになります。したがって原則として請求書や領収証は必ず交付しなければならないし、不正交付に対しては罰則が適用されることになります。

こんなことも起こります。小規模に事業を営むなどの免税事業者から物を買う場合はその領収証に「登録番号」が記載されていないことになります。そのため仕入税額控除ができません。もっともその免税事業者が消費税を付加せず本体価格できっちり販売しているとなれば損も得もない話ですが。

余談です。昨年、インボイス方式を採用している某国へ行ったところ「登録番号」が記載されていない領収証を発見しました。正式な領収証が交付されていないということは恐らく・・・。聞くところによるとその国は法律に従った税制の運営が未熟で賄賂がまかり通るお国柄とか。(^_^;)

  • 請求書や領収証に記載されている消費税額をいちいち集計するのは大変では

それは確かに大変です。その作業に費やす時間を考えると頭の痛い問題だと気付きます。売上に関わる消費税はシステムで管理されているのでまだしも救いですが、一般的には仕入や経費に関わる請求書などは相当量あるため記載された消費税額を集計するのは大変な労力を必要とすることでしょう。企業規模が大きくなればなるほど取引量も莫大になります。そうした企業にとっては受ける請求書等の電子データ化も避けられないでしょう。

今でも、事務の効率化のために納入先が請求書は専用伝票で発行するよう求めてくることがありますが、取引データの電子化も同じ道を辿るのではないでしょうか。納入先から専用回線やインターネットを通じて電子データとしての送信を求められる。取引口座を維持するために対応せざるを得なくなっていけば取引情報の電子化は予想以上のスピードで普及します。

取引の電子データは簡単に会計データに置き換えられ、振込も自動で行われるようになる。そう遠くないのではないでしょうか。